大腸内視鏡(カメラ)検査について
どんな検査か
内視鏡を肛門から挿入し、大腸(直腸から上行結腸・横行結腸・下行結腸・盲腸)までの大腸全般を直接内視鏡で観察する検査です。
どんな人に適した検査か
がんを早期に見つけたい、健康診断・人間ドックの便潜血検査で陽性になった、便に血が混じる、下痢、便秘などが続く、便の性状が変わった(細くなった、便秘になったなど)、家族などに大腸がんの方がいる人など
大腸がん検診で便潜血検査を行っているのだが大腸内視鏡検査まで行った方が良いのか
早期がんの発見を目的とした場合、今、日本で一般に行われている便潜血検査で陰性でも安心はできません。早期がんの半数、進行したがんの10%が便潜血検査では陰性になってしまうというデーターもあり、日本でも自治体によっては大腸がん検診で内視鏡検査をとりいれる自治体がでてきています。早期がんの発見には大腸内視鏡検査が最も精度の高い検査であり適していると考えられています。
大腸内視鏡検査でわかる病気
大腸がん、大腸ポリープ、大腸炎、大腸憩室など
大腸内視鏡(カメラ)検査の流れ
1目的 大腸について調べるために、内視鏡による検査を行います。
2検査前 内視鏡検査前にウイルス等の感染症(B型肝炎、C 型肝炎、梅毒)を調べるための血液検査をさせていただきます。
3−1前準備 検査前日は大腸の中をきれいにするため、繊維成分の多い野菜、果物や種つきの物、海藻類、きのこ、こんにゃく、豆類の摂取は控えてください(2日前から控えていただけるとより効果がありますので、出来る方はお願いします)。前日夜9時にピンク色の下剤3錠をお飲み下さい。
3−2 当日は水分以外の食事を摂らず、内服薬については主治医の指示に従ってください。検査時間の5時間前から、腸管洗浄液を飲み始めてください。
3−3 検査30分前に診察券を受付窓口に出し、問診票、承諾書、当院以外から薬を処方されている方はお薬手帳などの一覧表を受付にお持ちください。
4−1検査 検査着に着替えてもらい、検査前に点滴ルートの確保を行い鎮痛剤、腸の動きを止める薬の注射を行います。薬の影響により呼吸が浅くなったり、血圧が下がることがあるため、脈拍・血圧モニター装置などを装着します。前処置で用いる薬の影響により目がちかちかしたり、眠気やふらつきが残ることがあります。このため車、バイク、自転車での来院はおやめ下さい(車、バイクの運転は終日できません。)。
4−2 内視鏡を肛門から挿入し大腸をまんべんなく観察します。検査中に必要であると判断した場合は良性・悪性などを診断するための病理検査の目的で、粘膜組織の一部を採取すること(生検)があります。この場合、検査当日は激しい運動および刺激物(アルコール、香辛料など)の摂取を避けてください。
5−1検査後 水分や軽食をとっても構いません。また検査終了後1時間以上、安静室で様子をみてから帰宅していただきます。検査の説明もありますので、当日はできましたら同伴者と一緒に来院してください。
5−2 組織検査を行った場合は通常、検査結果がでるまでに約2週間ほどかかります。
6 検査が原因で腹痛などが出現する可能性がありますが、通常数日以内に消失します。精密な検査ほど偶発症の頻度は増加します。内視鏡検査による偶発症として、出血や穿孔などが発生することがあります。この頻度は、日本全国で検査を受けた方の約0.04%と報告されています。このような重篤な合併症が発生した場合には、再検査、輸血や手術も考慮した治療を適切にかつ迅速におこないます。
7 検査当日の状況により、検査予約時間通りに開始・終了できるとは限らないことをあらかじめご了承ください。
8 帰宅後、万一下血や腹痛が改善しないなど何かご質問や不安なことがありましたら当クリニックまでご連絡ください。夜間緊急時の連絡先なども検査時にお知らせします。