気になる病気1 胃がん
2008年08月26日
「胃がん」とは
「胃がん」は日本人が発症するがんの中で最も多いとされています。日本人の胃がんの発生には塩分のとりすぎが影響していると考えられています。また喫煙習慣や最近の研究ではピロリ菌という細菌に感染している場合も胃がん起こりやすくなると言われています。
胃がんは患者さんが多い一方で、胃がんによる死亡率は以前に比べ低下してきています。これは内視鏡検査などの普及により、治すことが可能な早期がんの段階で見つけることができるようなったことや治療法の進歩によると考えられます。胃がんは早期に発見して治療を受ければ、完治が可能な病気になってきています。
胃がんの症状
胃がんは、進行すると体重減少、貧血、便が黒くなるなどの症状が現れることがありますが、早期の場合には、ほとんど症状が現れません。また、みぞおちの痛みなどの症状は胃炎や胃潰瘍などほかの病気でも現れることがあるので放置してしまいがちです。胃がんは早期であるほど治りやすく、内視鏡治療など体への負担も少ない治療を選択することも可能なため早期のうちに発見することが何よりも大切です
胃がん早期発見のためには
一般の胃がん検診では「胃レントゲン検査(バリウム検査)」が行われますが、早期胃がんは小さく写りにくく発見が難しいため、より確実にがんを見つけるためにも「胃内視鏡検査(胃カメラ)」を受けることをお勧めします。
胃がんになる人が増えてくる40歳を過ぎたら内視鏡検査を定期的に受けることが大切です
内視鏡検査の特徴
経鼻内視鏡検査では5mmちょと(経口内視鏡検査は約1cm)の太さの内視鏡を胃の中にいれて内部を見ます。
この検査の特徴は大きく2つあります
1 胃の中を直接見ることができる
胃の粘膜を直接見ることで、粘膜の色の変化や凹凸から場合によっては数mmの小さながんをみつけることが可能です。直接観察することでがんの場所や大きさだけでなく、およその深さ(早期がんか進行がんか)も診断できることもあります
2 胃の組織をとることができる
もし、がんなどが疑われればその組織を一部とって、顕微鏡で実際、細胞を見ることでがんかどうかの最終診断が可能です
もし検査の結果、胃がんと診断されてしまったら
他のがんも同様ですが「がん」が見つかってしまったことは残念なことですが、今後の最善の治療法などを担当医師とよく相談することが大切です。また、当院のように検査を主体としている医療機関で発見されたときは、自分の病状にあった適切な病院を紹介してもらうことが大切です。
医師と話をする時に注意することは
1 家族などを一緒に話を聞きましょう
がんという病気になる可能性は誰にでもありますが、いざ「がん」と言う言葉を聞くとそれが早期とはいっても、気が動転してしまいがちです。できれば自分以外の信頼できる家族などと一緒に話を聞くようにしましょう。
2 メモをとりましょう
その場では分かったと思っても、初めて聞く話も多く後から考えると何を言われたかあいまいになってしまうことも多く、できれば必要な情報はメモをとったり、医者が説明の時に使った用紙をもらうようにするのも良いかもしれません。
3 どんなことも納得するまで聞きましょう
一番大事なことですが、説明や言葉の意味などで分からなかったことや気になったことは、もう一度、分かりやすく説明をしてもらい納得するまで話を聞きましょう。
以上のことに気をつけ、自分にあった納得した治療を受けるのが大事です。必要があればセカントオピニオンとして他の医師の意見を聞くこともよいかもしれません。当院では患者さんやそのご家族と相談の上、癌センターや大学付属病院などその方に最も適した病院を責任を持ってご紹介させていただいています。